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ビタミンDと脂肪肝

ビタミンDは非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の発症や病態に深く関与しているとされ、NAFLD患者は血中ビタミンD濃度が低下していることが報告されています。

そのため、ビタミンD不足を是正すれば肝脂肪症が改善する可能性があるか否を検証したのがこの論文です。

肝脂肪蓄積が多く認められる患者、40例に対してビタミンDを投与し、肝脂肪量の変化を比較検討しています。ビタミンD3 20,000 IUを最初は7日間連続で、その後は週に1回、6カ月後まで投与しました。

対象の年齢は54.9歳、男性が21例、女性19例。BMIは29.5kg/m2、BMI 30kg/m2以上が45%を占め、体脂肪率は32.3%、内臓脂肪スコアは11.4。4週後は全例を追跡できましたが、3カ月後は33例でした。

その結果、4週間のビタミンD投与により、血中25(OH)Dは11.8ng/mLから34.6ng/mLに有意に上昇(P<0.001)、副甲状腺ホルモン(PTH)は41.5pg/mLから34.5pg/lLに有意に低下し(P=0.002)、CAPは329.8dB/mから310.8dB/mに有意に下がっていました(P=0.012)。なお、BMI、体脂肪率、ALT、ASTなどでは有意な変動が認められませんでした。

これらの結果から、ビタミンD濃度を上昇させることは、脂肪肝患者の肝脂肪量を減少させる効果があると考えられます。

J Gastrointestin Liver Dis. 2016 Jun;25(2):175-81.

注:CAP:(controlled attenuation parameter)肝脂肪量の非侵襲的な評価指標

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