ビタミンDと動脈硬化性血管病変との関係について調べた論文です。メタアナリシスと呼ばれる手法の研究で、21本の論文を検討し、頚動脈のIntima-media Thickness (IMT)値とビタミンD濃度との関係について検討しています。
ビタミンD欠乏(<20ng/ml)に相当するものが3,777名。
一方コントロールとしてビタミンD濃度が正常範囲にあるものが4,792名でした。血中ビタミンD濃度(ng/ml) によって、以下の様に対象を分けています
1) < 20 ……. 欠乏
2) 21-29 …… 不足
3) > 30 ……. 正常
結果です。
- 欠乏群のIMTは正常群と比較して有意に高値を示した。 (p<0.001)
- 不足群のIMTは正常群と比較して有意に高値を示した。 (p<0.001)
- IMT値はビタミンD濃度が低下すると増加する傾向にあった。
- 頚動脈プラークが形成される割合は欠乏群で37.0% であるのに対して、
正常群では23.7%であった。 - ビタミンD欠乏群では、頚動脈プラークができるリスクが正常群と比較して2.29倍あった。 (OR: 2.25; CI: (95%CI: 1.03-5.11 ).
メタアナリシスによる解析ですが、
ビタミンD濃度が低いと、頚動脈の動脈硬化性変化が進むと考えられます。
Lupoli, R. et al.
Impact of Vitamin D deficiency on subclinical carotid atherosclerosis: a pooled analysis of cohort studies.
J. Clin. Endocrinol. Metab.102, 2146–2153 (2017).
PMID:28609831 DOI:10.1210/jc.2017-00342
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