母乳で子供を育てたい。親として自然な思いであり、誰しもその方が子どもの成長にとっても有益なことだと考えると思います。
しかし残念なことに、実際は母乳だけで育てられた子どものビタミンD濃度が極端に低いことが報告されています。
順天堂大学小児科の中野聡医師らの報告によれば、母乳栄養群(28例)と調整乳(牛乳や豆乳に糖質・ビタミン・ミネラルなどを添加したもの)を使用する調整/混合栄養群(21例)に分けて血清25OHD値を解析したところ、上図のように、母乳栄養群では、調整/混合栄養群と比較して、有意に血清25(OH)D3値が低く、ビタミンD欠乏状態にある乳児が多かったことがわかりました。
原因は明白です。母乳中のビタミンD濃度は母体のビタミンD濃度によって決まります。妊娠可能年齢の女性の血中ビタミンD濃度が低くなっていることが、乳児のビタミンD欠乏状態を招いているわけです。
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