Cochrane reviewに掲載された論文では、ビタミンDが喘息治療として効果がある可能性に言及しています。
対象は二重盲検法による臨床研究論文に絞り込んであります。その結果として選ばれた論文は、全部で9本。このうち7本が435名の小児について。2本が658名の成人について調べています。
臨床試験期間は4〜12カ月。喘息症状は中程度から重症の患者です。検証した結果22名の小児を扱った1本の論文658名の成人についての2本の論文を対象としています。
喘息症状の増悪によって副腎皮質ホルモンの投与を受けたケースは、ビタミンD服用によって37%ほど減少していることが確認されています。
急性増悪で救急外来受診または、入院を少なくとも1度はしたケースは、ビタミンDを服用した群では6割減と大幅に減少していました。
この論文はメタアナリシスといって、いくつかの研究を総括的に調べるものですので、臨床の場においてビタミンDの持つ効果についての概要を調べるものです。
今後の研究としては、どの程度のビタミンD血中濃度を維持するべきなのかを明確にすることができれば、臨床的に有意義と思われます。
Vitamin D for the management of asthma.
Cochrane Database Syst Rev. 2016 Sep 5;9:CD011511. [Epub ahead of print]Martineau AR1, Cates CJ, Urashima M, Jensen M, Griffiths AP, Nurmatov U, Sheikh A, Griffiths CJ.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27595415
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